連合農学研究科生物資源科学専攻生物分子機能学連合講座1年の日景瑠那さんが、2024年6月17~18日に開催された第20回21世紀大腸菌研究会において、「優秀口頭発表賞」を受賞しました。
21世紀大腸菌研究会は、大腸菌及び関連の細菌、微生物をモデル生物としている研究室?グループが集まり、若手研究者による研究成果の発表を通して世代を越えた交流を行う目的で毎年開催されております。本賞は、インパクトのある優れた研究発表に授与されるものです。
タンパク質膜挿入反応に関与する糖脂質MPIaseの低温での発現量増加にはcdsA遺伝子と重複する遺伝子の発現が必要である
連合農学研究科生物資源科学専攻生物分子機能学連合講座1年 日景瑠那
膜タンパク質が生体膜に挿入する反応には糖脂質MPIaseが必要となります。生体膜の流動性が低下する低温環境では、膜挿入反応が進行しづらくなりますが、MPIaseは低温下で発現量が上昇し、膜挿入反応の低温感受性を抑制します。そのため、低温環境下での生育には特に重要となります。MPIaseの低温下での発現量上昇にはMPIase生合成酵素の一つCdsAが関わっています。本研究では、CdsAを活性化して低温下でのMPIaseの発現量を増加させる因子MucAを同定しました。MucAをコードする遺伝子のほとんどはCdsAをコードする遺伝子と重複していることが判明しました。あるDNA配列から読み枠の異なる2種類のタンパク質がコードされている例は、一部のウイルスの遺伝子を除いて初めての発見になります。
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