日本農芸化学会は、農芸化学分野の基礎及び応用研究の進歩を図り、それを通じて科学、技術、文化の発展に寄与することにより人類の福祉の向上に資することを目的として、1924年に設立された学術団体です。
本賞は、農芸化学分野で顕著な研究成果をあげた女性研究者で、これからも高い研究成果をあげて農芸化学研究の発展に寄与するとともにキャリアアップが期待される女性研究者に対して、日本農芸化学会より授与されるものです。
農学部応用生物化学科 山田美和 教授
生分解性プラスチックの微生物による合成と分解に関する研究
1.海藻成分を利用したバイオプラスチックの微生物合成
日本は海に囲まれた島国であり、全国の海域に海藻が豊富に生育しています。しかし、これまでの研究において、海藻をバイオプラスチック合成の原料とした研究はほとんどありません。山田教授らは、自然界の多様な微生物源から、海藻成分を炭素源として利用しバイオプラスチック合成能力を有する新たな微生物を発見しました。
2.バイオプラスチック分解菌とその分解酵素による生分解メカニズムの解明
生分解性プラスチックの分解機構の解明は、生分解性プラスチック分解後の環境に対する影響の予測や、生分解性が制御された新たな材料設計に向けて重要です。一般的に、生分解性プラスチックは、環境中の微生物酵素によって分解される酵素分解型と、加水分解反応が主となる非酵素分解型があります。山田教授らは、酵素分解型と考えられていますが、環境中からの分解菌の報告が少ない生分解性プラスチックであるポリアミド4 (PA4) に着目しました。PA4は、陸上と海洋の両環境で高い生分解性を示すユニークなバイオプラスチックですが、PA4分解菌単離の報告はまだ数例であり、分解酵素を特定した例はこれまでにひとつもありませんでした。そこで山田教授らは、陸と海からPA4分解菌の探索を新たに行い、新たに発見したPA4分解菌からPA4分解酵素の精製?特定に成功しました。
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